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小学生向けプログラム「心のチカラ」とは? 中学生向けプログラム「学びのチカラ」とは?

「主体的に考える力」「対話する力」が身につき、
『成長型マインドセット』を醸成する
探究型の教育プログラムです。

成長型マインドセットとは何か

『成長型マインドセット』(Growth Mindset)とは、「自分の才能や能力は、経験や努力によって向上できる」という考え方(心のあり方)のことです。スタンフォード大学心理学教授のキャロル・ドゥエック氏が提唱した概念で、この思考を持つ人は「新しいことに挑戦したがる」「主体的に努力し続ける」「創造性に優れる」「結果よりも過程を重視する」「失敗を成長の糧にして高い目標も成し遂げる」などの特徴があるとされます。
※その対極にあるのが『固定型マインドセット』(Fixed Mindset)で、「自分の能力は生まれつき決まっており、努力で変えることはできない」という考え方です。

カラフル・ドアーズ 中学生向けプログラム「学びのチカラ」は、この『成長型マインドセット』を養うことを最終のゴールとしています。

※参考:MINDSET「やればできる!」の研究/キャロル・S・ドゥエック(草思社)

わかりやすく比較!
固定型マインドセット
成長型マインドセット

教育改革と「対話」による学び

育成すべき資質・能力の三つの柱

(参考:文部科学省『新しい学習指導要領の考え方』)

2020年に始まった教育改革においては、「学びに向かう力・人間性等」、「知識・技能」、「思考力、判断力、表現力等」が育成すべき資質・能力の3つの柱として据えられています。
特に、「学びに向かう力・人間性等」については、“多様化する世界を尊重し様々な人々と協働する力、持続可能な社会づくりに貢献する力、リーダーシップやチームワーク、豊かな感性や他者への思いやりの心などを持ち合わせた人間性”といったことが示されていますが、これはまさに「対話」のスキルによって養われるものです。
当たり障りのない「会話」や、互いの意見をぶつけ合う「議論」とは違い、「対話」とは“自分の考えを表明しつつも、それを一旦保留して互いの考えを受け取り合って、共通認識を生み出したり創造的な答えを導き出したりする”コミュニケーションを指しています。

中学生向けプログラム「学びのチカラ」は、生徒たちが「対話」をきっかけにそれを理解し、本質的な「学びがい」や「努力しがい」に気づくことで、『成長型マインドセット』を醸成することを目指しています。
ワークは、指導者には運営しやすく、生徒には「対話」のスキルを学びやすいようにプログラム化しています。たとえば「問いづくり」のワークは、米国Right Question Instituteが提唱するフレームワークを使って、慣れない生徒でも一定の効果が出やすいように工夫してあります。
また、ユニットごとのテーマ設定により、学習の意図や目的意識を見失わないようになっています。

大切にしているポリシー

小学生向けプログラム『心のチカラ』と同じスタンスの「ワークショップポリシー」を設定しています。
※開かれた学びの場を作るため、指導者・生徒が共有しておくことが望ましいです。

また、生徒向けのワークシートには、次のルールを記載してあります。

  • 1 人の話をよく聴こう!

    学び合いは、まず聴くことから

  • 2 思ったことは発言しよう!

    意見は人と違っていてOK

  • 3 自分と違う意見も尊重しよう!

    否定や批判はNG

  • 4 いろいろな答えを探そう!

    答えは1つとは限らない

  • 5 自発的に協力行動をとろう!

    ワークも事前課題も

ワークの手法

活動とその効果

身体を動かす、人前で発表するなどの”体感”を重視している小学生向けプログラムに対し、中学生向けである本プログラムは”対話”を重視しています。
ワークへの取り組みを通して 「主体的に考える力」や「対話する力」に代表される多様な非認知能力を伸ばし、最終的に「成長型マインドセット」を養うことを目的としています。

教材の構成

どのユニットもワークの進め方は同じ。慣れてしまえば生徒たちだけでもできるレベルのシンプルな作りとなっています。
(もちろん、ファシリテーターがいることで学び合いは深まります。)

  • 1ユニットあたり5枚のワークシートで構成されています。(テーマの提示1枚+対話と発表のワーク3枚+ふり返り1枚)
  • 各シート1枚につき、「事前課題(個人ワーク)→対話や発表(グループワーク)→全体共有」を行い、それを5回繰り返して1ユニットが完結します。

実施形態

対面ワークショップ、またはオンラインワークショップ(Zoom等)

人数

指導者1名に対し、最大40名程度が目安です。

シンプルなワークなので大人数でも実施可能ですが、全体を把握するためには40名程度までとするのが望ましいでしょう。

対象学年

…最適 …適している …工夫すれば可能

小5 小6 中1 中2 中3 高1 高2 高3
小5
小6
中1
中2
中3
高1
高2
高3
  • △印の学年は、それぞれに適したユニットと適さないユニットがあります。
  • ごく一部のユニットを除いて、混合学年での実施も可能です。(その方が大きな効果が得られる場合もあります)

教材のご紹介(全20ユニット)

扱うテーマは、2つの大きなカテゴリーに分かれています。

Ⅰ.ひとや社会とつながる学び
(Outside:外の世界に目を向けた学び)

高め合い、成長できる環境づくりのスキルを身につけ、社会とのつながりを知ることで成長意欲を刺激します。

Ⅱ.意味を探究し、思考を深める学び
(Inside:自分の内側に目を向けた学び)

様々なものごとの本質や経験の意味を見出す力を養い、成長に不可欠な「問いに向かう力」を身につけます。

ユニットテーマ一覧

「問いづくりワーク(入門編・活用編)」 は、米国Right Question Instituteのライセンス許諾に基づいて制作したワークです。
RQIウェブサイト:https://rightquestion.org/

各ユニットの活用例
・・・このような目的を絞った使い方もできます!

  • 「つながる力」のユニット

    チーム結成時や年度始まりのメンバーの関係性づくりに

  • 「社会の課題」のユニット

    PBL(プロジェクト・ベースド・ラーニング)の下準備やグループワークの練習ツールに

  • 「考える力」のユニット

    地頭を鍛えるためのトレーニングツールに

  • 「意味の探究」のユニット

    新しい視点からのモチベーションアップに

プログラム開発STORY

私たち実践行動学研究所は、全世代に渡る生涯学習としてのプログラム提供を目指しています。小学生向けプログラムの完成後、次のステップとして中学生向けプログラムの開発に着手しました。

小学生向けプログラム「心のチカラ」は、参加者にはとても好評で「子どもたちの行動が変わった!」といった感想もいただいていたのですが、決定的に困ったことが2点ありました。
それは、「プログラムの良さや成果を説明しづらい」ということと、「運営が難しそう」というイメージが持たれていたことです。日本では「レジリエンス」という言葉自体の知名度も低く、非認知能力は数値で表すことができないため、効果や成果が非常にお伝えしづらいものとなりました。また、体を動かしたり、感情面を扱ったりすることも多いワークショップに対して「私たちにできるかな…」という指導者からの不安の声も。(実際は研修等でサポートさせていただきますので、心配はご無用です)
そのような経験から、「いくらよいものでも、必要な人に届けられなければ意味がない!!」という思いが生まれ、中学生向けプログラムの開発には「シンプル・フレキシブル・低コスト」の3つの条件を課すことを心に決めました。

さて、開発にあたったとき、改めて「中学生という年代にこそ育んでおきたい資質とは何か?」を考えました。
そこで思い出した、ある生徒の数学の質問に答えたときに言われた一言。
「どう?分かった?」 
― 「わたし、バカだから分かんない…」
生徒の中には、新しいことを嬉々として学んでどんどん成果を上げる生徒もいれば、この生徒のように「自分には無理!」と拒絶し、その言葉通り苦手なことをどんどん増やし続ける生徒もいます。
自分自身の可能性に蓋をする「思い込み」を取り払うため、今の日本の中学生には「もっと学んで成長したい」という思いや、「自分もやればできる!」という思いが生まれるきっかけ(場)が必要だと私は考えました。

また、実際にプログラムの制作を進める中で、譲れないものがひとつありました。それが先にも述べた「対話」です。
それは、私自身にも「対話」によって視野が大きく広がり、人生を切り拓くきっかけになったという経験があったからです。
そこで、最終的な教育目標を「成長型マインドセット(=Growth Mindset)」の醸成とし、そのプロセスでの獲得能力の主軸に「主体的に考える力」「対話する力」を据えることにしました。

開発にあたっては、ワークをシンプルなつくりに統一し、経験の少ない指導者でも安心して運営できるものを目指しました。
一見すると何の変哲もないワークシートですが、生徒たちの様々な知見が溢れ出るものができたと自負しています。

しかし、現段階のプログラム・ユニットは、まだ最終形ではありません。プログラムの本来の目的を達成するためには、内容をさらに追加し進化させることが必要と考えています。