大好評のうちに幕を閉じた先生のためのファシリテーション入門(第2期)。
講師役の私にとっても、毎回新鮮な学びがあって本当に楽しみな講座でした。
6回の講座の4回目に「“Yes,and”のスキル」を学ぶのですが、これがファシリテーションに限らず、日常でもめちゃくちゃ使えます。
個人的には最強のライフスキルのひとつではないかと思っています。
今日はこの“Yes,and”についてお話します。
“Yes,and”という言葉は聞き慣れない方が多いですよね。
もともとはインプロビゼーション(即興演劇)が発祥元とのこと。
相手のアイデアを否定せずに受け取り(Yes)、そこにアイデアを乗っけていく(and)、そんなコミュニケーションのことです。
即興演劇で豊かなストーリーを紡いでいくためには必須のスキル。
(インプロの専門家みたいな言い方ですが、ぜんぜんそんなことはなく…悪しからず)笑
Yes,andのコミュニケーションは、頭で理解していても実践がなかなか難しい。
一生修行かなと思っています。
けど、たとえうまくできなくても、このYes,andを心がけておくだけで少しずついいことが起こるはずです。
巷によくあるのは、「Yes,but」のコミュニケーション。
たとえばアイデアを出し合う会議で、ある人の発言に対して、
「その意見はいいと思う(yes)けど、現実的ではないね(but)」
という反応があったとしましょう。
きっと「そんなふうに言われるなら、もうあまり意見は言いたくないな」と思いますよね。
これでは意見が飛び交う創造的な場にはなりません。
結果としていいアイデアは集まらないし、何より話し合いが楽しくない。
でもYes,andの心得があれば、同じ意見に対して、
「その意見は面白いね(Yes)、非現実的と思えるほど斬新でいい!(and)」
となります。
こんなリアクションをされたら、もっと発言したくなってきませんか?
※もちろん収束・選択の場面では、批判的思考も使ってしっかり吟味する必要はあります
上の事例は会議の場面でしたが、日常ではどんな変化が表れるでしょうか。
真っ先に思い浮かぶのは、相手からざっくばらんに本音で話してもらえるようになるということです。
誰だって自分を否定してくる人と話したいとは思いませんし、肯定的にYesで受け取ってくれる人と話したいと思うはずですから。
これ、教育や子育てには、めちゃくちゃ有効なスキルではないでしょうか。
生徒さんやお子さんから本音の声を聴かせてもらえるようになるんですから。
実際問題としては、Yesをした後のandが難しいのですが、それを学びたい方はファシリ入門第3期にぜひ!笑
まずは、「何はともあれ一旦Yesをしてみる」ことから始めてみてはいかがでしょうか?
私にファシリテーションを学ぶきっかけをくれた中島 崇学さんが、先日「Yes,and」に関する書籍を上梓されました。ご興味のある方はぜひ手に取ってみてください。
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私の師匠の中島さんの、そのまた師匠が言ったというこの言葉。
「すべては自分の幸せのためと大断定してみる」
人生で起こることすべてにYes,andをしていく。
なんと力強い生き方ではありませんか。
(文:大原)