今日は、「ちゃんと伝える技術」の続編です。
みなさんにも、話をしながら「あれ?どうも通じてないなぁ…」とか、「何回言っても伝わらんなぁ」と思った経験がありますよね?
そんなとき、どうしてますか?
「だから、さっきも言ったんだけどさぁ、これこれこうで・・・」と同じ説明を繰り返しますよね。
説明不足や相手の聞き漏らしが原因であればこれで解決できますが、ときには何度言っても平行線ということもあります。だんだんイライラもしてきますよね。
こういうケースは、説明の仕方が悪いわけでも相手の理解力がないわけでもなく、そもそもの前提の理解が食い違っているということが少なくありません。
だから、何回言っても伝わらないときは、「何でこれを伝えているかというと・・・」という前提から話してみるといいです。
前提の理解が一致した途端に、「あぁ、そういうことが言いたかったんですね!」と、一気に腑に落ちることもあります。
そうなったときはとても気持ちがいいので、ぜひ試してみてください。
<ちょっと長めのおまけ>
前回のメルマガで、「私にはもうひとつ“必殺技”があります」と書きましたが、実は上の内容ではありません。笑
本当は「比喩を使う」という方法をお伝えするつもりだったのですが、、、
「比喩」は、漠然としたことを分かりやすく伝えるテクニックとしてとても有効ですが、うまくまとまりませんでした。(文章力が・・・)泣
そこで、先日聞いた比喩をとてもうまく使ったお医者さんの話を共有することにします。
新型コロナ肺炎の後遺症についての説明です。テレビでいつも聞くのはこんな感じですよね。
”新型コロナ肺炎は、多くの人が治った後も後遺症に悩まされています。
数ヶ月経っても倦怠感などの様々な症状があり、元の生活に戻れずに苦しむ人が多いのです。”
これでも情報は伝わっては来ますが、「ふ~ん、そうなんだ」と思うくらいで後遺症の怖さは実感できません。
ところがこのお医者さん、「本当に気をつけてほしいんです!」という気持ちを伝えるために、こんな比喩を使って説明していました。
”新型コロナ肺炎は火事のようなものでね、肺炎が治るというのは、火事の火が消えた状態だと想像してください。
火が消えたとしても、あちこち焼け焦げた家はすぐに元通りにはなりませんよね。
私たち医者は、火を消すことまではできるかもしれませんが、その後すぐに元通りの生活に戻れるとは限りません。
肺はあちこちが焼け焦げた状態ですから。
これは、患者さん自身が時間をかけて元に戻していくしかないんです。”
こう言われると、燃え残った家の映像が目に浮かんできて、火が消えた後も大変な毎日が続くことが実感として分かりますし、むしろ当然のことようにも思えます。
このお医者さんは「比喩のスキル」のレベルがめちゃくちゃ高いです!
こんな風に実感を促すレベルで伝えることができると、家庭も仕事も円滑に回りそうですね。
(文:大原)