前回の予告通り、今回は「やる気を高めてくれるもの」についてお話しようと思います。
さっそくですが、質問です。あなたなら下の★★にどんな言葉が入りますか?
『★★だと、やる気が出る』
・儲かりそうだと、~~~
・自分にもできそうだと、~~~
・感謝してくれる人がいると、~~~
他にもいろいろあると思いますが、実は私が尊敬する2人の人が、かなり意外な同じ言葉を入れてるんです。
先日、私にも「まったくその通りだなぁ」と思うできごとがありました。
ぜんぜん大した話じゃないんですけどね。
そのできごとというのは、趣味のフライ・フィッシングのことです。
フライ・フィッシングというのは、昆虫などを模した毛ばりにイワナやヤマメを食いつかせるという釣りなんですけど、これが釣れるときには釣れるけど釣れないときにはぜんぜん釣れないんです。
こないだも1時間ほどやって、釣れる気配すらまったくなくて。
そこから少し下流には渓流を利用したフィッシング・パークがあるので、「そこだったら釣れるかな~」と一瞬思った後、すぐに「でも、つまらないから止めとこう」と思ったのでした。
さて、自然渓流にあってフィッシング・パークにはない私のやる気を高めるものとは何だと思いますか?
そのあるものについて、大好きな師匠の福島正伸先生はこんなふうにお話しています。
ボウリングなんてさ~、もしも必ず10本倒れるようになっていたら、ぜんっぜん面白くないから誰もやらないよ。
あと、僕はゴルフをやるけど、アレは難しいね~。僕なんか打つ度に違う方向に飛んで行くからね。だからみんな、夢中になるんだよ」 (???笑)
そしてもう一人、米国の仏教哲学者で社会活動家でもあるジョアンナ・メイシーさんの言葉。
この美しい地球を次の世代に引き継ぐために、私たちに何ができるかを考えていると、途方もない問題の大きさに無力感に苛まれることもあるでしょう。
でも私たちは、これからどうなるか分からないからこそ、やってみようという気持ちになるのです。
この先、地球は永遠に美しいままだと分かっていたら、私たちは地球を守ろうとはしないはずです。
先のボウリングの話とは大分スケール感が違いますが、言っていることは変わりません。二人に共通する「人にやる気を出させるもの」とは、『不確実性』です。
ひとは、不確実だとやる気が出る。
ともすると、「不確実性」はやる気を削ぐものにも思えます。
でもきっと、お二人のような見方をすることが、VUCAと呼ばれる先の見えない今の時代でも、不安におびえることなく人生を謳歌する秘訣なのだろうと思います。
改めて考えてみると、この世で一番不確実なのは、子育てかもしれません。
わが子が将来、確実に立派な人になると約束されていたとしたら、どうでしょうか?
私なら、親としてのやる気はダダ下がりです。
だって一生懸命やってもやらなくても、立派に育つんでしょ?みたいな。
もしそうなれば、親が子どもと一緒に成長することもありません。
難しいからこそ、やってみたい。
できるかどうか分からないからこそ、やってみる価値がある。
今の時代、子どもの幸せを望むならば、不確実性を愛でるマインドを育むことは、とても重要です。
そのためにも、私たちが超不確実な子育てに楽しんで挑む姿を見せたいものですね!
p.s.
究極に不確実性の高いヴァンデ・グローブというヨットレースをご存知ですか?
昨年、海洋冒険家の白石康次郎さんが、アジア人で初めて完走した世界一過酷なヨットレースです。
(参考)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/news_jp_60264ab5c5b6d667582bf45e
「死ぬかもしれないのに何で挑戦するの?」と聞きたくなりますが、ひょっとしたら命が賭かっているからこそなのかも。。
その姿を見て心が熱くなるのは、私たちにもその感覚がある証です。
(文:大原)