「もっと自発的に行動してくれないかなぁ」
子育てや部下の育成でそうと思うこと、ありませんか?
「自発性」のほかにも、「主体性・積極性・持続性・楽観性」、または「こらえ性」など、「~~性」と呼ばれるものはたくさんあります。
これらの性質は、人の成長においてとりわけ重要な要素です。
でも実際問題、なかなか伸ばすのが難しかったりします。
「もっと自発的に取り組みなさい!」
もしそう言われてやり始めたとしたら、それはすでに自発性でないですもんね。笑
「もっと楽観的な方がいいと言われたので楽観的に考えるようにしています」
これも楽観性ではないです。だって本当に楽観的な人は、「楽観的に考えよう!」とは思いませんから。
本人はごく普通にしているつもりなのに、他の人から見たら「何て楽観的なの?」と思っちゃうのが、本当の楽観性です。
このように、人の「~~性」というのは、外からの指導(言葉)で変えるのが非常に難しいのです。
「それでも何とかしたい!!」
そんなときは、まずはその人の「~~感」に働きかけます。
例えば、「自己効力感」※。
※「自分にはそれがデキる!」という気持ちのこと。(単純化しすぎ?)
もしも「自己効力感」が高まれば、さまざまな「~~性」がにょきにょきっと芽を出してくるはずです。
「自己効力感」を切り口にすると、直接的に自発性を伸ばそうとするときとはまったく違うアプローチが見つかるはずです。(もちろん中身が中身なだけに、それ相応の時間はかかります)
このように、「~~性」を伸ばしたいときは、関連しそうな「~~感」に注目するといいです。
「~~感」に対しては、私たちの言葉はパワフルな効果を発揮するからです。
人間はひとのフィードバックで自分のイメージが形作られていきますから。
もちろん本質的にはそれを裏付けるような経験を積むことが必要にはなりますが、信頼できる人の言葉が変化のスイッチになることは大いにありえます。
ですから、まずは「~~感」を育むように働きかけ、結果的に「~~性」が高まると考えた方が、子どもや部下の成長の確度は高まります。
信頼感、親近感、充実感、満足感・・・、身の回りには実にたくさんの「感」があります。思い浮かぶ顔にどの「感」が効きそうか、ぜひ考えてみてください。
そして実はコレ、個人に対してだけでなく、組織の成長にも通じるんです。
近頃はテレワークが急速に普及しているので、リモートでも「生産性」や「効率性」を落とさずに済む方法はないか? とか、組織の『心理的安全性』※をどうしたら高められるか?とか、あちこちで取り上げられていますよね。
※Google社の調査によって世界中から注目が集まったアレ。(解説になってない?)
組織の生産性や効率性を高めたいときも、まず「~~感」に注目します。
例えば「納得感・腹落ち感・充実感」、あるいは、「共感・親近感・一体感・信頼感」、または逆に「違和感」に注目するのもありです。
「組織の心理的安全性を高めるよい方法は?」と考えてもアイデアは浮かんできませんが、「信頼感を高めるには?」と考えるといろいろなアイデアが浮かんでくるのではないでしょうか。
「~~感」というのは、もともと私たちに備わっている感覚です。
人も組織も、まずは「~~感」を大事にすると、結果的に「~~性」が育つ、というお話でした。
あなたのお子さんがさらに大きく成長するエンジンになるのは、何感でしょうか?
あなたの組織のさらなる可能性を開くのは、メンバーの何感でしょうか?
(文:大原)
*今回の内容は、コーチングやリーダーシップ開発のプログラムを提供している(株)ウエイクアップ様の発行するメールマガジンを参考にさせていただきました。