今日は「人の成長の2つの軸」というテーマです。
先生や子育て中の方のほか、会社の人事の方にも届いたらいいな、と思って書きました。では、早速!
人の成長の2つの軸とは、
・水平的成長
・垂直的成長 の2つです。
「水平的成長」とは、
新しい知識やスキルを身につけて、できることの幅を広げていく成長の仕方のこと。幅が広がるので「水平的」というわけです。例えるならスマホやPCに新しいアプリがダウンロードされてより便利になるようなイメージです。最近は“リスキリング”という言葉をよく耳にしますが、これはまさに水平的成長にあたります。
一方の「垂直的成長」とは、
意識や考え方、ものごとの見方が変わるような変化、人としてのコアな部分の成長を指します。高い視点からものごとを見るようになったり、深く考えるようになることから「垂直的」と呼んでいます。例えるなら、スマホやPCのOSがアップデートされるようなイメージです。機械ならトップ画面や操作性が変わって変化に気づきやすいのですが、人間の場合は内面的なことなので(ことさら自分のこととなると)気づきにくいかもしれません。
でも、より大きな力があるのは垂直的成長です。なぜならば、意識が変われば知識やスキルは後追いでどんどん身につくからです。
受験勉強になぞらえると、新しい英単語を覚えるのが水平的成長、学習に取り組む姿勢が変わるのが垂直的成長。どちらの方がこの先大きく成長していくかは言うまでもありませんよね。
垂直的成長が水平的成長に影響を与えることは今述べましたが、その逆パターンもあります。スキルを身につける水平的成長の過程で、人としても磨かれていくという成長の仕方です。
「一芸に秀でる者は多芸に通ず」ということわざがあるように、“秀でる”まで努力を積み重ねた人は心も成熟していることが多い。今で言えば、青いユニフォームのあの選手とか。オリンピック選手の多くが人格的にも優れていると思うのは私だけではありませんよね?
ただ、「一芸に・・・」のことわざは、中途半端にたしなむ程度では無芸と同じという揶揄する意味もあるそうなので、やはり“秀でる”までの努力が大事なようです。
さて、コロナ禍を経た今、人の成長における“対話”の効果がクローズアップされるようになりました。対話はまさに垂直的成長を促す絶好のツールです。
対話の中で問い合い、考え合い、伝え合う。そういった繋がり合いの中で心や感性だけでなく、自律的に考える力も磨かれていきます。
対話を重ねたからといってすぐに成績や業績が上がることはありません。
すぐに結果が出ないのなら意味がないと思う方もいらっしゃるでしょう。
でも、垂直的成長は長い目で見るととても大きな差となって現れます。
このメルマガをきっかけに、ぜひ垂直的成長にも焦点を当ててみてください。
特に目の前の業績を求められる一般企業の方の中にそのような意識を持つ方が増えて、対話の文化が育っていくといいなぁと思います。
(文:大原)