メルマガ160号、どうしようかな?
と考えていたら、なぜか分かりませんが、物語が降りてきました。
ちょっと恥ずかしいのですが、せっかくなので記事にしてみました。
今日は、山登りの計画を立てる日です。
一人ひとりがどの山に登るかを考えて、発表しなくてはなりません。
カナエちゃんとアユムくんは登りたい山がもう決まっているので、どんどん計画書を書き進めています。
2人の計画は、実行するのが大変そう。でも2人とも、とても楽しそうです。
目標とする山は高いほど注目されたり褒められたりするので、2人はきっとたくさん褒められるでしょう。
そして、毎年ほんの一握りだけど、中には本当に高い山の登頂に成功する子も現れるそうなので、2人にはがんばってもらいたいなぁと思います。
その一方で、クラスの中には登りたい山が見つからない子もたくさんいます。
本当は登りたい山があるわけでもないのに、「どの山を登るのか早く決めなさい!」と言われて、みんな少し困っています。
そんなときに便利なのが、「世界の山・日本の山カタログ」です。
その中から一つを選んで、「この山に登りたい」と書けばよいのです。
そこでは詳細な計画は必要ありません。
だって本当は、どうしても登りたいというわけではないのだから。
なぜその山に登りたいと思うのかを、それっぽく書けばOKです。
そうする子たちは、カタログの巻頭カラーの写真の山を選んだり、周りのみんなも選びそうな山を選ぶ傾向があるみたいです。
とりあえず計画書をつくってしまえば叱られることはないので、それも悪い方法ではないと思います。
ところで、クラスの中にちょっと変わったカイくんという子がいます。
カイくんは登りたい山が見つからないという理由で、なんと川下りの計画書を書いたのです!
「僕は今、登りたい山が見つからないので、川を下ってみることにします。
川を下ると、流れが急なところ、緩やかなところ、深いところ、浅いところ、自分では予想できないことが起こるかもしれないけれど、とにかくその川を一生懸命漕ぎ切ってみようと思います。
初めて下る川なので、どんな岸にたどり着くのか想像もつかないけれど、川下りでどんな景色が見られるのか楽しみです」
そんな計画書を発表したカイくんは、その後どうなったのでしょうか?
カイくん曰く、川下りは山登りより楽そうに思われるけど、ただ何となく流れに任せていると、とんでもない支流に迷い込むから大変なのだそうです。
分岐点で大事なことは、行く先を自分で選ぶこと。
もちろんどちらの流れが正解かなんて、選ぶ段階で分かるはずもありません。
できるのは、後で「こっちを選んで正解だった」と言えるように、とにかく一生懸命漕ぎ続けることだけです。
さて、無事に川を下り切ったカイくんを待っていた景色とは・・・
川はやがて大河となり、大きな海が目の前に広がっていたのでした。
いかがでしたか? (意味不明じゃないことを祈ります…)
山登りや川下りというのは比喩表現ですが、どんなふうに伝わったでしょうか?
よければ感想をお聞かせください。
お察しの通り、私は川下りでここまでやって来ました。
道中なかなか美しい景色も見て来ましたが、まだまだ海には辿り着きそうにありません。
もうちょっと漕がねば、です。
(文:大原)