「コントロールできることに集中せよ!」
わが家の長男(久しぶりに登場!)を大学受験に送り出すときに手渡した言葉の中の一つです。
苦手教科で失敗したらどうしよ~とか、高倍率でボーダーが上がったらヤバイとか、考えたってしょうがない。自分でコントロールできないことに気を取られて、できるはずのことができなかったっていうのが、一番後悔するからな。
だから試験が始まったら、“今自分にできることは何か?”、それだけに集中してやれよ。
そんなことを伝えました。
“自分にコントロールできるか、できないか?”という考え方は、私が不安に駆られたときに心の平安を取り戻すための秘儀(?)です。
ここ一番の大勝負に向かう長男は、大して感動するでもなく、「ふ~ん」と聞いておりました。(でも、今も私のメッセージカードが彼の財布にしまってあることは、知らないフリです)
さて最近、この秘儀をとても分かりやすく言い表している詩があるのを知ったので、ご紹介しますね。
「ニーバーの祈り」
神よ、
変えることのできるものについて、
それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
変えることのできないものについては、
それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、変えることのできるものと、
変えることのできないものとを、
識別する知恵を与えたまえ。
ラインホールド・ニーバー(大木英夫 訳)
この詩の中で最も重要なのは、変えられるものと変えられないものを識別できるかどうか、だと思います。
変えたくても変えられないことを何とか変えようとするから、悩みが尽きない。
どうせ変えられないことなら、いっそ手放してしまった方が心を健全に保てます。
そう思いませんか?
だから、悩みがあるときは、次のステップで捉え直すのがおススメです。
【ステップ1】
悩んでいることの中で、今の自分に変えられないことは何だろう?
【ステップ2】
変えられないことを受け止めて、変えようとすることを手放す
【ステップ3】
じゃあ、今の自分にできること(変えられること)は何だろう?
もやもやした悩みを2つに識別することで、クリアに見える新しい眼鏡を手に入れるような感覚です。
ステップ1をクリアにして2で腹決めすると、グルグル回る悩みのループから抜け出せます。そして、未来の可能性を開くステップ3へと踏み出すことができるようになります。
でもこれ、“言うは易く行うは難し”です。
これがなかなか難しい…
私もこの機会に、改めて心に刻み直そうと思います。 (文:大原)