こんにちは。実践行動学研究所の大原です。
ある方から前回の配信後に“今までのメルマガの中で一番心に刺さった”といううれしい感想をいただいたので、調子に乗ってアドバイスのしかたについての続編をお送りします。
前回はアドバイスをする前のポイントでした。
”まず相手をしっかり承認して、アドバイスを受け取る心のスペースを作ってあげましょう!”という内容でしたね。
今回お伝えするのは、アドバイスのスタンスについてです。
アドバイスが迷惑かありがたいかは、伝える人のスタンスで大きく変わります。
ズバリ結論から言います!
『アドバイスは手渡した時点で相手のもの』というスタンスでいること。
どういうことかというと、どんなに的確なアドバイスでも、「必ず実行に移すこと!」という押しつけがあると迷惑になってしまう、ということです。
”アドバイスはしても執着はしない”というのが超大事なポイントです。
簡単な例で比較してみますね。
まずは、執着のあるアドバイスから。
”なるほど、そういう悩みがあるんだね。じゃあ、この方法でやってみたらいいよ。
それは、・・・・・。いいでしょ? やるよね? いつやる? 明日?
やったら報告をちょうだいね!”
ちょっと極端ですけど、こんな感じです。どう思いましたか?
さて、次は執着のないアドバイスの例です。
”そうだな~、あなたに合うかどうか分からないけど、私なりの意見を言うね。
もしも良いと思ったらやってみてね。しっくりこなかったら流してくれていいよ。
それは、・・・なんだけど、どうかな?”
こんな風に「取り入れるかどうかはお任せ」というスタンスだと、相手は自分で選択した感覚になるので、実行の際の力強さも違ってきます。
また、いつでも相談できる安心感も生まれます。
前号のポイントも一緒にまとめると、ざっとこんな感じです。
① 相手に共感と承認のメッセージを伝える
② 自分なりのアドバイスを心から伝える
③ その際、実行の有無については執着せず、相手に選択権があることを伝える
もしもこのスキルを仕事場で使えば、頼れる上司と思われること請け合いです。
…という私は果たして、部下にどう思われてるのだろう?(汗たら~ん)
ちなみにコーチング・セッションでは、コーチからの要望やアドバイスに対して、クライアントには3つの答え方があることを伝えています。
・1つ目はYes(はい、やります)
・2つ目はNo(いいえ、やりません)
・3つ目は逆提案(コーチの言ったことはやりませんが、このようなことをやってみます)
”気兼ねなく自分の意思で選択してもらうことがコーチの望みだ”という共通認識があると、クライアントはどんなアドバイスも前のめりで聞いてくれます。
(文:大原)