アメリカの心理学者マズローといえば、「欲求5段階説」が有名ですね。
「欲求5段階説」とは、人間というのは次の順番に欲求を満たしたくなるものだ、という説です。
〈第1段階〉 生理的欲求
お腹がすいた、トイレに行きたい等
〈第2段階〉 安全の欲求
身を守りたい、不安を遠ざけたい等
〈第3段階〉 社会的欲求
他者と繋がりたい、人から愛されたい等
〈第4段階〉 尊厳の欲求
人から認められたい、特別な存在でいたい等
〈第5段階〉 自己実現の欲求
自分らしく才能や能力を発揮したい等
例えば、どうしてもトイレに行きたいような危機的状況下では、「存分に可能性を発揮して自分らしい人生を送りたい!」なんてことは考えない、ということです。
今は、必ずしもこの5段階の順ではないという考えが主流みたいですが、とても納得感が高いことから今でもよく使われています。
心理学の中では最も有名な理論のひとつではないでしょうか。
さてマズローはこの説を発表した後、自己実現をした人に見られる共通の特徴を調べたそうです。 次の5つを見てください。
・無駄で、思慮に欠けたところがある
・虚栄心や自尊心が強く、自分自身の作品や大事な人を偏愛する
・かんしゃくを起こして、無慈悲になることがある
・精神を集中するあまりに、ぼんやりとしたり日常を忘れることがある
・他者には不都合で、無礼な言動をとることもある
あまりそばに近づきたくない感じですが、実はコレ、自己実現的な人生を送っている人の特徴です。
ただし、欠点っぽい特徴ばかり挙げてみました。
へそ曲がりですみません。笑
これを見て私がまっさきに思い浮かべた人物は、かのスティーブ・ジョブズ氏です。
その人ならではの才能を持っていて、良くも悪くも自分を押さえ込んだりしない人物。
近くにいたら「子どもかよ!常識を考えろ!」と突っ込みたくなるような人物。
ジョブズ氏のほかにも、歴史に名を残す人物はクセがスゴイ人ばかりですよね。
どうやら、自分という存在や自分の感情を尊重することは、自己実現と何か大きな関係があるみたいです。
私はわが子に、歴史に名を残すような人物になってほしいとは思いませんが、自分の気持ちや自分が持って生まれたものを大切に生きてほしいと思っています。
(もちろん私自身もですが…)
マズローの調査結果によれば、自分を抑えて周りの人に合わせるような行為は、自己実現的な人生から遠ざかる生きグセのようです。
むしろ、常識から見たら“難あり”というような性格の方が大切なのかもしれません。
“難だけ”の性格ではマズイでしょうけど。笑
いいんです、完璧な人間にならなくたって。
人の評価を気にしたりせず、自己実現に向かう人生を謳歌してほしい。
わが子にそれを望むのなら、ちょっと心配な性格だったとしても、心配する必要はないのかもしれませんね。
欠点も含めた丸ごとを認められる度量の大きさが欲しい... (2児の父としての独り言)
あなたのお子さんの気になる欠点は何ですか?
その欠点は、お子さんの将来にとって、どんなギフトになるでしょうか?
さてさて、もちろんマズローは、自己実現を果たした人の欠点ばかりを探したわけではありません。
共通する15の特長というのを発表してますが、そのお話はまた次回。
(文:大原)