だいぶ前のことですが、うちの子に「1ヶ月の勉強を振り返ってみよう」と提案したときの話。
じゃあ、といって始めたのですが、ちょっとビックリしました。
「~~をなまけた。~~がダメだった。~~がよく分からなかった」
こんな言葉が次々に出てきたんですね。
「ちょっと待って。それは振り返りじゃないよ」
「ん?」という顔をした我が子に説明。
「反省しろって言ってるわけじゃなくて、振り返ろうって言ってるのよ。
悪いことばっかりじゃなくて、がんばったこともあったよね?
まずは、よかったことから聞かせてよ」
こんなやりとりをした記憶があります。
この経験は私に、子どもたちは普段から反省ばかりさせられているということに気づかせてくれました。
反省と振り返りはぜんぜん違います。
反省というのは、同じ過ちを繰り返さないためにやることです。
(当時のうちの子は、やってはいけないことばかりやっていたということか?)笑
反省は、「~~してはダメ!」という制限をかける効果はあるかもしれませんが、「もっと~~してみたい」とか「今度はこんなふうにやってみよう」という前向きな行動意欲は生みません。
みなさん、目上の人からこんなふうに言われたらどうでしょう?
「これまでの子育てのやり方を反省してください」
「仕事のやり方を反省してよ」
責められている気分になって、やる気減退ですよね。
経験を前向きな気持ちで次に生かすには、反省ではなく、正しく振り返ることが大切です!
「体験学習法」の理論には、このような4つのステップがあります。
(ごく簡単に要約しました)
(1) 体験:やってみる
(2) 指摘:「何が起こったか」を観てみる
(3) 分析:「何でかな?」を考えてみる
(4) 概念化:「じゃあ次はどうする?」をまとめる
指摘のステップでは、解釈を挟まずに、客観的にどんなことがあったかを振り返ります。
ダメだった事ばかりを探すのではなく、よく出来たことや嬉しかったことにも焦点を当ててみましょう。
その方が分析のステップで、その人らしい成長の仕方が見つかるはずです。
だから私は、子どもたちに反省ではなく、振り返りを促すように問いかけています。
…と、偉そうに言いましたが、感情的になると当然うまくできなかったりします。苦笑
そういう自分のことも、反省ではない振り返りでリカバーしていきたいと思います。
最後に、振り返りがさらに効果的になるマル秘技をご紹介しますね。
そのマル秘技とは、振り返りを一緒に「分かち合う」ことです。
「それはきみにとって~~な経験だったね」「大変だったねぇ」「うれしかったねぇ」と、気持ちを共有しながら行います。
すると、上下関係とは違う温度感のある絆のようなものが芽吹くきっかけになると思います。
子育てでも部下指導でも、ぜひお試しを。
(文:大原)