このメルマガでは、コミュニケーションについてのお話をよくしてきましたが、「聴き方」に焦点を当てることが多くて、「伝え方」のお話はあまりなかったですね。
そこで今日のテーマは、「伝える人(あなた)と聞く人の間にズレを生まない伝え方」です。
例えば、ありがちなのが、こんな親子の会話。
親 「この間、次はがんばるって約束したでしょ!」
子 「だからがんばってるじゃん!」
親 「あんたね、これでがんばってるって言えるの?」
「がんばってない VS がんばってる」、「約束を守ってない VS 守ってる」の正面衝突です。
このような衝突が生まれる原因は、約束をした時点で「がんばる」という言葉の認識にズレがあることです。
「がんばる」という言葉は曖昧なので、それぞれのイメージで勝手に解釈されます。
「急いで」とか「きちんと」などの言葉も、子育てでよく登場する要注意ワードです。
※ちなみに今日のタイトルですが、何がどの程度正確に伝わるのが「ちゃんと」なのかが分からないので不合格です。笑
さて、「がんばる」とは、何を・いつ・どのように・どの程度やることなのか。
親がイメージする「がんばる」とは、家に帰ったら直ぐに机に向かって、寝転がってゲームを始めるような姿は見なくなること。
一方の子どものイメージは、ゲームをやるかどうかは別モノで、最終的にやるべきことをやり終えること。
もしこんなふうにズレていたら、親は約束を破られたと思いますし、子どもは子どもで、約束を守っているのに何で怒られなきゃいけないんだ!とアタマに来たりもするでしょう。
では、そのようなすれ違いを生まないためにどのような伝え方をしたらいいのでしょうか?
私がよく使う方法は2つあります。
もっとも手軽なのが、数値化という方法。
例えば、がんばりを10点満点で表して、「どの状態なら何点か?」を話し合います。
まずは現状の確認から。
「今のがんばりは10点満点中の何点か?」 そして「どうしてそう思うのか?」を聞きます。
次に、その答えをもとに、とりあえずのこちらの要望(目標)を伝えてみます。
「満点とまでは言わないけど、8点くらいならやれるんじゃない?今と8点の何が違うかというと・・・」
それを聞いた子どもの返事は、「ぼくにとっての8点はこれこれこうで、それならできる」かもしれませんし、「それは難しいけど、こういうことならできそう」かもしれません。
いずれにしても、数字と具体的な行動を結びつけて話すことで、ある程度は互いのイメージが一致した状態をつくり出せます。
もしも互いに納得できなければ、ここからさらにすり合わせていけばいいのです。
要は、人によってどうとでも取れる曖昧な言葉を同じイメージで理解する仕組みとして、とりあえず数字にしてみる、という作戦です。
数字が表す行動をできるだけ具体的な言葉にするのがポイントです。
慣れるととても便利な方法なので、是非試してみてください。
「学校は楽しい?」のようなひと言で答えられる質問を、「学校の楽しさは10点満点中何点?」と聞くようにして、より深く理解できる会話に持って行くという使い方もあります。
さて、私にはもうひとつ”必殺技”があります。
そのお話は、また次回!
(文:大原)