「実験してみよう!」
小学校6年生のとき、この言葉がクラスの男子の間で大流行しました。
何しろ昔のことなので、ぼんやりとしか覚えてませんが、NHKの理科実験番組で使われていたフレーズをクラスの人気者Nくんが真似たのが始まりだった気がします。
こんなことをやったら、先生なんて言うかな?
―(全員で)実験してみよう!
この作戦なら、○組のやつらに勝てるんじゃね?
―(全員で)実験してみよう!
好奇心の湧いたことや疑問に思ったことは、何でも実験してみました。
今思い返すと、かなり危なっかしい悪ガキ集団です。
当時はコンプライアンス意識がほぼゼロの時代だった(?)ので、大きな問題にはなりませんでしたけど。
もしも今、こんな子たちの担任になったら、身が持ちません。
でも思うのは、『試してみよう精神』は今こそ重要だなぁ、ということです。
VUCAと呼ばれる今の世界は、頭で考えても分からないことだらけです。
重要な課題ほど、正解がありません。
それもそのはず、 “正解がある=すでに誰かが解決済み” ということですもんね。
答えのない課題に対して、私たちが取る態度は2つに1つです。
・考えても分からないから、やめておこう。
・考えても分からないから、試してみよう。
どちらの方が成長できるかは言うまでもないです。
『試してみよう精神』は、今をたくましく生き抜くためにもっとも重要なチカラの一つです。
なので我が子にも、ことあるごとに 「じゃあ、試してみたら?」 と言うようにしています。
少し話が脱線しますが、私も今、家で試していることがあります。
高校生の長男の「何度も催促されるまで動かない問題」を解決すべく、こっそり始めた実験です。
「あいつは言われるまでやらないヤツだ」
社会に出たら、そんな風に、催促されること自体が信用を損ねていきます。
それを今のうちに感覚で理解してほしくて、「私の方が長男に催促されるまで動かない」という実験を始めました。(現在も絶賛継続中!)
この実験の最大の見どころは、「催促するまでお小遣いがもらえない」という点です。
「何度も催促しないとお小遣いをもらえないって、どういう気分よ?」
「何度も催促する方の気持ちはどうだった?」
きっとこんなやり取りが展開されるに違いありません。
・・・果たしてどうなったか?
この2ヶ月、お小遣いをあげてないにも関わらず、なんにも言って来ない。
想定外の事態になっています。。。
何事もなかったかのように、フツーにしてやがります。
このままでは、催促する方の気持ちを実感させることができません。
当のこっちは、「お金に困ってないかなぁ?」と思ったりして、ちょっとした罪悪感に苛まれています。
このように、実験というのは、やってみないと何が起こるか分かりません。泣
だからこそ、『試してみよう精神』で心が鍛えられるのです。
今鍛えられているのは、私の方ですけど。涙
兎にも角にも、これからどうなるか、もう少し実験を続けてみようと思います。
話を本題に戻します。
お子さん(あるいは部下)の『試してみよう精神』を育みたい方は、ぜひ「試してみたら?」を使ってみてください。
『試してみよう精神』が育てば、その分いろいろな面倒が起こるかもしれません。
それも育てる側の仕事のひとつとして、楽しみながらやっていけるといいなと思います。
「試してみたら?」は、子どもも大人も成長させる魔法の言葉です。
(文:大原)