おうち時間で子どものレジリエンスを高められるよい方法はないかなぁ…
そんなことを考えていて、辿り着いたのが「問いかけ方」。
今日は、そんなお話をしてみます。参考にしてもらえたらうれしいです。
ちなみに、「そもそもレジリエンスとは何か?」ということですが、レジリエンス研究の第一人者ペンシルベニア大学ポジティブ心理学センターのカレン・ライビッチ博士は、「逆境から素早く立ち直り、成長する能力」と定義しています。
カラフル・ドアーズでは、かなり噛み砕いて、「元気・しなやか・へこたれない心のチカラ」と表現しています。
ライビッチ博士は、以下の8つをレジリエンスの構成要素として挙げています。
1.自己認識 2.自制心 3.精神的敏速性 4.楽観性 5.自己効力感 6.つながり 7.生物学的要素(遺伝子) 8.ポジティブな社会制度(家族や組織等)
1~6の心理的要素は経験や学習で変わるので、心の強さは生まれつきの性格だけで決まるものではないことが分かりますね。
とはいえ、「たったコレだけ!1週間で劇的改善!」なんていう深夜の通販番組のような都合のよい方法はありません。
直ぐにどうこうではなく、長い目で成長を見守るスタンスでいきましょう。
今日お伝えするのは、ライビッチ博士が挙げた要素でいうと、自己認識や自制心に関わる部分かなと思います。
では、手軽にできて効果的な高レジリエンスな思考習慣が身につく問いかけのフレーズをご紹介します。いくらやってもタダですので、安心してお試しください。
おススメのフレーズとは、この2つです。
「今、どう思ってる?」
「次はどうしたい?」
子どもが失敗したときや、何かに挑戦して結果が出たタイミングで、ぜひ2つセットで使ってみてください。
子どもが失敗すると、どうしても「何でできないの?」とか「どうしてそうなった?」という過去や原因にさかのぼる質問をしがちです。
実はコレ、質問の形をしてはいますが、「反省しろ!」という意味でしかありません。
原因を正せば次はうまく行くはずという理屈は正しいですし、そう言いたもなります。
でもダメだった過去に過度に焦点を当てるのは、レジリエンス的にはマイナス影響が大きいです。特に生真面目な性格の人ほど反省し過ぎる傾向があるので、注意が必要です。
おススメする問いかけの手順は次の通り。
【1】済んだことに区切りをつける (過去~今に意識を向ける問いかけ)
「何がいけなかったのか?」という過去に意識を向ける問いかけだけでなく、「今、どう思うか?」をしっかり聞きます。
「今」を味わって腹落ちさせることが、次の行動のエネルギーになります。
【2】これからどうするかを考える (未来に意識を向ける問いかけ)
今の気持ちを踏まえて、「次はどうしたいのか?」、「本当はどうなりたいのか?」などの未来志向の問いかけをします。
細かいことですが、このとき私は「どうしなくてはいけないか?」や「どうするべきか?」という聞き方は決してしないように心がけています。
(ちょっとした違いですが、受け取る側にとってのインパクトはだいぶ違います)
それからもうひとつ、「こっちが期待している答えを言えよ~」という圧力をかけないことがとても大事です。
ま、これをやっちゃう人は無意識なので、気をつけようがないんですけども… 笑
(文:大原)