前回、「ご要望があれば傾聴のスキルについてもお話しますね」と書いたところ、読者の方から「ぜひっ!」というメールをいただきました。
こういうリアクションがあるのは大変嬉しいので、みなさんどんどんお便りください。笑
それから別の方とはメルマガきっかけでZOOMでお話させていただいたりして。
楽しかったなぁ。
では、さっそく『傾聴』についてのお話を。
私が傾聴について学んだのは、CTIというコーチ養成機関です。
私はコーチングを習得するためにCTIの門をたたいたのですが、今になって思うのは、「傾聴」は特定の何かのためのスキルではなく人生全般でめちゃくちゃ役に立つ「ライフスキル」だということです。
特に実感しているのは、傾聴は「信頼関係をつくる」という点で絶大な効果を発揮するということです。(なので、小学生向けのプログラムにも制作中の中学生向けのプログラムにも、子どもたちに傾聴を体験してもらう機会をふんだんに設けています)
私がCTIで傾聴を学んで驚いたことは、それまで読んだノウハウ本には「うなずきながら聴く」とか、「オウム返しをする」とか書いてあったのに、一度もその言葉が出てこないことです。
なのに2日半の基礎コースが終了したときには、みんながそういうことをやるようになっている。
とても不思議な気分で、魔法のようでした。
さて、なぜ私たち受講生は教わってもいないやり方をできるようになったのでしょうか。
今振り返ると、たった一つのことを徹底的に叩き込まれたからだと思うのです。
(あくまでも私個人の印象であり、随分前のことなので記憶に補正がかかっているかもです)
その一つのこととは『Designed Alliance』、日本語訳は「意図的な協働関係」です。
相手との関わり方を聴き手側がデザインするという技術でした。
ここですべてはお伝えできれませんが、日常生活の中でスグにできることを2つご紹介しますので、ぜひ試してみてください。
◎その一:「どのような関係性を築きたいのかを互いに知っておく」
・2人は現在どのような関係性で、この先どのような関係性を築いていきたいのか?
それを互いに伝え合って明確にする。
・相手に何を要望して自分は何を心がけるのかを、互いに伝え合う。
◎その二:「話し合う目的を合意した上で本題に入る」
・例えば子育てなら、親の言いつけを守ってほしいから話すのか、子ども自身で考えてほしいから話すのかを先に伝えておくなど。
・例えば上司・部下なら、上司は話し合った結果として相手にどうなってほしいのかを伝え、部下がその要望に対してどう思うのかを聴いてみるなど。
このように、必要なことがらをやり取りするだけでなく、関係性の土台を協力してつくる意図を持って関わることで、コミュニケーションの質は大きく向上します。
また、こうした姿勢や行動そのものが、傾聴力の筋力アップにも繋がるのです。
こういった相手への寄り添い方を、単なる方法論ではなく、人の「あり方」として教わったのが、CTIでの学びでした。
その「あり方」が身につけば、自然に傾聴の「やり方」が立ち現れるというわけです。 (偉そうなことを書いちゃいましたが、まだまだ修行中の身であります。汗)
部下との面談などで最初に取り入れるときはちょっと勇気がいるかもしれませんが、ぜひチャレンジしてみてください。
「CTIはやり方を全然教えないのに、みんなできるようになるってすごい!」
コースのリーダーにそう言うと、「いやいや結構やり方も教えてるはず…」と返ってくるのはコレいかに?笑
p.s.
実際に傾聴するときのポイントについて、とても重要なことがあります。
次回、他に書きたいことがなかったらネ。笑 (文:大原)