先日の台風19号に被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。
私はといいますと、この台風の合間を縫って佐賀県の子ども園に研修に行って参りました。
「帰りの便が心配なので延期にしますか?」
とお心遣い頂いたのですが、私自身ずっと楽しみにしていたので、
「いえいえ行きます、帰れなくても大丈夫」
と、来られる側としてはちょっと迷惑かもと思いつつお返事。
運よく無事に帰って来られました。
ツイてるんですよ、こういうとこ。
ここの方々は、園長さんはじめ皆さん気持ちのいい方々ばかりで、研修も大盛り上がりでした。盛り上がりすぎて、準備したタイムラインが崩壊しかけたり…笑
私は、研修の準備はかなり念入りにするのですが、最も大事にしていることに「実施するときは準備したことを手放す」というのがあります。
どんな反応が返ってくるか分からないワークショップスタイルだからこそ、「予定通りうまくいって欲しい」というこちらの都合を手放し、予定外の出来事からも学びを創ることを大事にしています。
大事にしてはいますが、いつも出来ているわけではありません。苦笑
参加者主体の学びの場づくりは、そんなに甘くはないのです。
どれだけ経験を積み重ねても難しいです。
さて、なぜ準備を手放すことを大事にしているかというと、
”想定外のこと(困ったこと)は、その場に必要だから起こる”
と考えているからです。
そこで起こるすべてのことに意味がある。
それは参加者にとって一番旬な学びが生み落とされるサインかもしれない
という見方です。
ここでは詳しく述べませんが、Colorful Doorsの公認WSリーダー研修で
扱う“学びの場をホールドするスキル”は8個あります。
質問のスキルや要約のスキルなど、どれもとても大事なものですが、
最も重要なのは、「Yes,and!」です。
・やってみたけど失敗した
→失敗にYesして、「いいね~。失敗から何が学べた?」
・ワークで気づいたことを発言してもらいたいのに、誰も何にも言わない
→沈黙にYesして、「いいね~、このだんまり感。皆黙っちゃうって、今何が起こっている?」
・準備したワークが全然ハマらない!やば~い!!
→噛み合わない空気にYesして、「いいね~、全然ダメじゃんこのワーク。
このヤバイ空気は僕らに何を気づかせようとしているんだろう?」
ピンチな場面にアタフタせずにそんな姿勢で向き合うと、思いもよらなかった気づきが飛び出したり。
それこそ参加者にとっても私にとっても、想定したものよりもはるかに大きな学びが生まれることが少なくないのです。
こういうところが講義形式の授業にはない、アクティブ・ラーニングの最大の醍醐味です。
実はこの『yes,and!』が役に立つのは、ファシリテーションの場に限ったことではありません。
コントロールを手放すことでストレスが軽くなって、不思議とうまく行き始めることはたくさんあります。
育児とか生徒指導とか人材育成とか、うまくいってないときほど『No!』や『but!』ばかりの狭い視点にハマっているのではないでしょうか。
そんなとき、『Yes,and!』ほど役に立つスキルはないのです。
教員向けの研修会で『Yes,and!』の練習に対する反応が大きいのも、コントロール願望に悩む人が多いからかもしれません。
私もまだまだ修行中の身。
『Yes,and!』をもっともっと鍛えていきたいなぁと思っています。
『Yes,and!』研修会2時間Specialとか、面白そう。
やってみたい方、いませんかね?
(文:大原)