川嶋 直先生(日本環境教育フォーラム理事長)曰く、目標は2つに分けられる。
「行為目標」と「成果目標」。
行為目標とは「○○する」という行動を定めた目標で、成果目標とは「○○できるようにする」という状態を定めた目標です。
この2つをきちんと区別するのはとても大切ですが、ついついごちゃまぜになってしまいますよね。
例えば教員なら、「カリキュラム通りに授業を進める」が行為目標で、「生徒が授業内容を習得している状態を作る」が成果目標にあたります。
また生徒なら、「定期試験まで1日5時間勉強する!」が行為目標で、「全教科合計で自己最高の○点を達成する!」が成果目標になります。
気をつけたいのは、行為目標を行っただけで成果目標を達成したような気になってしまうことです。
これは特にコミュニケーションで顕著です。
「相手に○○を伝える」が行為目標で、「相手に○○が伝わる」が成果目標。
伝えると伝わるはまったく違うのに、「伝えた(行為)=伝わった(成果)」と勝手に思い込んでしまいがちです。
「言ったはずだよね? 何で言った通りやらないの?」
「え~? そんな風には聞いてないよ。 私が聞いた話と違う!」ってな感じです。
毎日当たり前にやっている行動について、成果目標をチェックしてみてください。
意外な気づきがあるかもしれません。
「あいさつをする」は、行為目標。―では、あいさつの成果目標は?
「職員会議をする」は、行為目標。―では、職員会議の成果目標は?
成果目標と照らし合わせて、今やっている行為は本当に適切でしょうか?
意外とズレていたり、なんなら逆効果だったり。
改めて考えてみたら、「成果目標は何だろう?」なんてこともあるかもしれません。
(文:大原)