今日のタイトルの問いに、あなたなら何と答えますか?
たった1つって、難しいですよね。
能力というのはさまざまな要素が絡み合って形成されるので。
でも何と、"突き詰めるとたった1つの要因に行き着く"という研究結果があるんですよ~。
それは、発達心理学の世界的権威、スタンフォード大学教授の Carol S. Dweck(キャロル・S・ドウエック)博士の研究です。
こういう肩書きがつくと、俄然信用度アップです。
何だかんだとブランドに弱い。笑
さて、ドゥエック博士が発見した能力の差を生む“たった1つ”とは、“Mindset(=心のあり方)”です。
ドゥエック博士は、心のあり方を2つに分類しました。
1つが“Fixed mindset”、もう1つが“Growth mindset”です。
この2つのどちらを信念とするかによって、その後の人生に大きく差が出るというのです。
◎Fixed mindsetとは?
Fixedというのは“固定的”という意味です。
つまり、人の能力は生まれつき決まっていて変えようがないもの。
例えるなら身長のようなもので、どんなに努力をしても人それぞれあるところで止まってしまう、という考え方です。
◎Growth mindsetとは?
Growthという名が示す通り、人の能力は努力次第でどんどん伸ばすことができる、という考え方です。
持って生まれた才能は1人ひとり違ったとしても、努力と経験を重ねることで誰でも大きく成長するという信念です。
“Fixed mindsetの世界観で生きている人は、能力を固定的に考えているので、自分の優秀さを周りに示すことに執着し、つまづくことは失敗と考えます。
また、努力は才能に恵まれない人がするものと考えているので、あまりしたがらない。もしも全力でがんばってダメだったとき、自分の限界が周りの人に知られてしまうので、決して全力ではやろうとしない。
最小限の努力で人がうらやむような成果を挙げることに価値があると考えています。
その一方で、他の人よりも優れていることを示したい一心で、無理をしてがんばり過ぎてしまうケースもあるのだとか。
また、自分の才能を傷つけるような否定的な意見は無視し、他人の成功は脅威に感じる傾向があります。
一方、“Growth mindset”の世界観で生きている人は、能力はいくらでも伸ばせると考えているので、成長できないことが失敗と考えます。
つまり、つまづいてもそれが成長に結びつけば成功と考えるわけです。
コチラの世界では、努力こそが人を賢く、有能にしてくれるという信念があり、ひたすら学び続けたいと思っています。
批判的な意見も成長のチャンスと捉え、そこから学ぼうとします。
そして他人の成功も、気づきや学びを得るために役立てようとします。
すでにあなたには、どちらのマインドセットの方が大きく能力が伸び、成長できるかがお分かりでしょう。
あなたのマインドセットは、どちらの要素が強いですか?
※これは分かりやすくモデル化したものなので、100%どちらかに属するというものではありません。例えば芸術的才能はFixedで考えてしまうけど、勉学についてはGrowsの要素が強いというように、分野ごとに信念が違うこともあるそうです。
…ここまで読み進めると、「具体的にどのような実験でそれを示したのだろう?」とか、「どうすればGrowth mindsetを育てられるのだろう?」という疑問が湧いてきますよね?
2つのマインドセットのことを知っているだけでも有益なのですが、興味の湧いた方は次の参考文献をどうぞ~。
※参考文献:MINDSETマインドセット「やればできる!」の研究
/キャロル・S・ドゥエック(草思社刊)
(文:大原)