今日は、何かを学んで習得したいときに役に立つお話をしたいと思います。(実際、私にはたいへん役に立ちました)
それは『学習の4段階モデル』というもの。
コーチングを学びたての基礎コース中に初めてこの話を聞いて「全然うまくできないけどがんばろう!」と励まされたのを覚えています。
『学習の4段階』は「欲求5段階説」で有名なアメリカの心理学者アブラハム・マズローが提唱したものです。マズロー博士は、何でも段階にしちゃいますね。
さて、マズローの唱えた『学習の4段階』とは、”人は何かを学ぶとき、必ず次の4つの段階を経て習得していく”という考え方です。
第1段階:無意識的無能
第2段階:意識的無能
第3段階:意識的有能
第4段階:無意識的有能
一つずつ見て行きましょう。
第1段階:無意識的無能(できないことを知らない段階)
自分ができないことすら知らないレベル。
例えば、ギターという楽器は知っているけど、まだ触ったこともないし、弾けるようになろうとも思っていない状態のこと。やったことがなければ、それがどの程度難しいかなんて分かりませんよね。
第2段階:意識的無能(できないことを知っている段階)
実際にやってみて「なんて難しいんだ…」と気づくのがこの段階。
ギターをカッコよく弾こうと思ったけど、全然うまくできない・・・
中学生のとき、”モテたい一心でギターを始めたが、Fコードで挫折”という友達がたくさんいました。意識的無能の壁に阻まれたんですね。残念・・・
あ、私ではなく友達のことですからね。笑
人が簡単そうにやっていることをやってみたら、難しくてビックリ!という経験は誰にでもあると思います。
第3段階:意識的有能(意識すればできる段階)
やがて何度も練習を積んでいくうちに、集中力を高めればできるとか、マニュアルを見ながらならできるという状態になります。
次のタイミングでFだ、せえのっF! ちょっと音が途切れるけど、何とかできた!みたいな感じですね。
第4段階:無意識的有能(無意識でもできる段階)
最終段階がこれ。特に意識しなくてもできる、という状態です。
自然にできるようになると、「逆に何で今までできなかったんだろう?」と思ったりします。
本当の意味で能力が身についたといえるのは、この「無意識的有能」の段階であることは言うまでもありません。
さて、この『学習の4段階』で知っておくべき重要なポイントがあります。
これを知っておくことで、なかなか上達しないダメな自分に許可が出せて、第4段階まで進める可能性が高まります。
それは何かというと、4つの段階をまっすぐ上がることは決してないということです。
実際の上達プロセスにおいては、第2段階と第3段階を行ったり来たりする。
それを何度も繰り返すことが不可欠だ、ということです。
できなかったことが、あるときできるようになる。
喜びもつかの間、もう1回やってみたらまたできなかったりする。
最初は10回に1回、続けるうちに10回に3回・・・
さらに経験を積んでいくと、ようやく無意識でもできる状態になるというわけです。
人というのは、そうやって成長していくんですね、マズロー先生。
いかがでしょうか?
最初っからうまくいかないのは仕方がない。というか、それで当たり前。
「今はコーチングが自分に向いているとはとても思えないけど、そんな自分もいつかは・・・」そんな風に考えられるようになりました。
でもやっぱり、失敗が続く時間は辛いですけどね。
子育てもお仕事も『学習の4段階』で成長します。
今日のお話が、誰かの励ましになれば幸いです。
(文:大原)