今日は、小学生向けプログラム『心のチカラ』に参加してくれた子どもたちの感想を読んで、気づいたことをお話させていただきます。
子どもたちには、ワークショップの最後に振り返りシートを書いてもらっているのですが、これがなかなか興味深い。
文字はぐにゃぐにゃだったり、文章は所どころ変だったりするんですが、みずみずしい感想や気づきから、私の方が学ばせてもらっています。
いくつかご紹介しますね。(一部を除いて、原文そのままです)
・自分らしくやるのがたいせつと思いました(小3)
・自分のいけんをたいせつにできてよかったです(小3)
・自分の答えを出すのというのが心に残った(小4)
・じぶんのことをかんがえてじぶんのきもちをわかる(小4)
この4人の言葉から、今回のワークが自己理解や自己受容を深める機会になったことが伺われますね。
・先生がみとめることについて話しているとき、みとめることは分かり合うということだと考えた(小4)
みとめることは分かり合うこと!!
小4でこんな深い気づきを得るなんて、きっとこの子は人生3週目くらいに違いない。
・人それぞれちがう考えをもっていておもしろかった(小6)
これと似た感想はとてもたくさんあって、何人ものお友だちが書いてくれていました。先生が安心・安全で何でも話せる場をつくってくれたことが分かりますね。子どもたちの中に“違いは面白い”という感性が育っていることを本当にうれしく思いました。
そして、極めつきが次の感想です。
・これから話し合うときは、違いをみつけるために話をよくきいていきたいと思いました(小6)
ちょっとすごくないですか?
個々の違いを歓迎し、それを見つけるための傾聴の必要性を説く小学生がいるなんて、超ビックリです。考え方の違いは、争いのもとではなく、興味・関心のもと・新たな発見のもとにしたいですよね。
『心のチカラ』プログラムって素晴らしいでしょ?
と、ドヤ顔になりそうですが、子どもたちからこのような声があがるのは、ひとえに先生方の現場対応の素晴らしさによるものです。この園の先生方は、本当にめちゃくちゃイケてるワークショップリーダーだと思います。(弊所ではプログラムを子どもたちに提供するファシリテーターのことをワークショップリーダーと呼んでいます)
さて私は、子どもたちの声に触れながら、この園では静かにスゴイことが起こっているなぁ・・・と思いました。
スゴイこととは何か?
それは、子どもたちの中に、確実にダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の感性が育まれているということです。
ダイバーシティとは多様性や相違点のこと、インクルージョンとは包含や受容のこと。D&Iは「人の多様性を認め、受け入れて活かすこと」という意味で使われています。
世界がますますボーダーレスにつながる時代。
国籍、宗教、性別その他もろもろの違いを乗り越え、協力し合い、一人ひとりが個性を発揮しながら豊かな社会をつくっていけるといいですよね。
この園の子どもたちは、そんな未来のリーダーになってくれるかもしれません。
楽しみ楽しみ。
p.s.
今日の記事にしたのは、小学生向け『心のチカラ』プログラムの中の ”仕事をするって、どういうこと?” がテーマのワークショップでした。「子どもたちに仕事観の根っこが育つ機会があったらいいなぁ」と思ってつくったワークです。
「将来、どんな仕事に就きたいか?」ということではなく、「働くことそのものにどんな意味があるのか?」について掘り下げて考える、ちょっと哲学的な、話すことが楽しくなるワークショップです。
子どもたちの振り返りを見てお分かりの通り、小学生といっても侮ってはいけません。我が教室でもやってみたいという方は、こちらからご連絡くださいませ。
(文:大原)