コーチングのコアなスキルに「拡大質問」というのがあります。
コーチングは「指示・命令でなく質問によって自発的な行動や意欲を引き出すもの」というイメージがあると思いますので、質問の大切さはご理解いただけますよね。
もちろん質問は、子育てや部下指導にも大いに役に立ちます。
さて、私が学んだコーチングモデルの中では、拡大質問は元の英語で「パワフルクエスチョン」と呼ばれています。つまり意欲や自発性を引き出す質問は、パワフルでなくてはならないのです。
私が思うに、質問がパワフルかどうかは、質問された人が「うっざ~」と思うか否かによります。←(かなり極端な表現)
質問のインパクトは2種類あって、一つは思わず深めたくなる質問(=パワフル)、もう一つはウザい質問(=余計なお世話)です。笑
では、どんな質問がウザがられるかというと、質問者が自分の価値観や成功体験による正解を持ち、それに従わせようとしている場合です。
「…で、きみはどう思う?」(視線がジロリ…)
子どもや部下にこう言うとき、質問の体ではあるものの、実は「オイ、分かってるだろうな?」とか「私が期待してる答えを返せよ!」となっている場合が少なくありません。(よね?)
そんなときは、間違いなくウザい質問です。
では、どんな質問がパワフルなのかというと・・・
「…で、きみはどう思う?」(爽やかに)
なんだ、質問、おんなじじゃん。笑
でもよく見て(↑)。爽やかさが違います。
2つの質問の何が違うかというと、“質問の出どころ”です。
操作的な意図からではなく、純粋に相手の気持ちや考えを聞きたいという好奇心から発した質問はとてもパワフルです。
そして質問された人は、敏感に質問の出どころを感じ取るので、ごまかしはききません。
つまり、自発性を引き出す質問のコツは、“上から目線の正解を押し付けようとせず、対等な目線で好奇心から湧いた質問をする”という、ひじょ~にシンプルなものです。
相手が子どもであっても。(それが超難しい!)
なので、今日のメルマガのタイトルにした「自発性を引き出す質問」などという魂胆を持って質問しているうちは、本当の意味でのパワフルクエスチョンにはなりません。汗
パワフルクエスチョンの道は長く険しいのです。
ともあれ、ぜひ今日から爽やかな質問を心がけてみることをおススメします。
(文:大原)