今日は少しビジネス寄りのお話ですが、毎日の生活や子育てに役立つ気づきもあったらいいなと思います。
新型コロナがやって来たことで、リアルにVUCAの時代を生きているんだなぁと、日々実感しています。
※VUCA(ブーカ)とは、Volatility(変動)、Uncertainty(不確実)、Complexity(複雑)、Ambiguity(曖昧)の頭文字を繋げた造語で、現在の社会経済環境がきわめて予測困難な状況だという時代認識を表す言葉。
1年前はこんな世の中になるなんて想像すらしていませんでした。
…なんてセリフももはや陳腐ですね。
今のような先の見えない時代にものごとを進める上で役立つのは、どんな考え方でしょうか?
なじみ深いものでは、PDCAサイクルというのがあります。
Plan(計画)→Do(やってみる)→Check(評価する)→Action(改善行動)
というサイクルを回すことで、効率的な改善が図れるというやつです。
PDCAサイクルはもともと工場の生産性を高めるために考えられたもので、工程がはっきり決まっている場合に有効です。
でも今は最初に触れた通り、何が起こるか分からない時代ですから、これとは違う考え方も知っておきたいですね。
そこで今注目なのが、OODAループです。
PDCAと真っ向勝負しているような名称ですが、正しくは「ウーダループ」と読むそうです。
PDCAサイクルと同じように、OODAループも4つのステップに分かれています。
(1)観察(Observe)
(2)仮説(Orient)
(3)意思決定(Decide)
(4)実行(Act)
簡単にいうと、よく見る → 自分なりに解釈する → やること決める → 即実行!
たったこれだけ!
大事なポイントは、このループをすばやく回して、変化する状況にアジャストし続けること。
実はこれ、米空軍パイロットで軍事戦略家としても知られるジョン・ボイド氏が提唱した意思決定方法です。
戦場では状況に素早く対応しなければ死んでしまうので、計画通り実行することより臨機応変さとスピード重視なのは納得です。
ちなみにジョン・ボイド氏は、どんなに不利な状況からでも40秒で形勢を逆転したことから「40秒ボイド」の異名を持ち、教官時代には訓練飛行で3,000戦無敗を誇る伝説のパイロットだそうです。
そんな彼の強さの秘訣は、何といっても迅速な意思決定と行動の速さでした。
私はこのOODAのことを最近知ったのですが、とても驚いたことがあります。
なんと!ずっと前からファシリテーション研修でお伝えしていた内容とマル被りなんです。
研修ではFRAサイクルと呼んでいて、
Feel(感じる) → Read(原因を読む) →Act(行動する)
の3ステップなのですが、OODAのO仮説とD意思決定がReadに含まれるので、言っていることはまったく同じ。
つまり、VUCA時代はPDCAよりもOODAが注目さていて、それはFRAと同じだった!(アルファベット熟語のオンパレードでまったく意味不明)笑
さて私が伝えたかったことは何かというと、
「ファシリテーションの学びは、VUCA時代のお仕事にめっちゃ役に立ちますよー!」ってことです。
特にリーダーシップを磨くのに最適だと思っています。
来年(2021年)の1月あたりに、新しいファシリ研修をアップしますので、ぜひ受講をご検討ください!
ところで、私がPDCAよりもOODAの方が役に立つと思う場面は、「旅行」です。
いかに計画通りにやるか?にこだわるほどストレスが溜まって楽しめなくなりますが、「雨なら雨を楽しもう!」というふうにしなやかにOODAを回した方が幸せになれます。
旅行というのは人生の縮図ですから、実はこのスタンスって、子育てなどいろんなことに応用可能なんじゃないでしょうか。
(参考)PDCAとOODAの比較
・PDCA:工程が明確な業務改善のためのもの。組織向きで「どのようにするか?(How)」を決めるのに役立つ。
・OODA:臨機応変さに優れている分、組織全体の把握がしづらいので個人向き。状況に応じて「何をするか?(What)」を決めるのに役立つ。
どっちの方が優れているかではなく、うまく使い分けられるといいですね。
<おまけ>
2年ほど前に「PDCAはもう古い?」というタイトルで似たようなお話をしていました。
↓ ↓ ↓
https://www.colorfuldoors.jp/times/689/
(文:大原)